英語イメージリンク編集部

『英語イメージリンク』のサブブログ。記事制作のこぼれ話や裏話などメインサイトで扱えないことをアップしていきます。

【年末年始に英会話学習を始める方へ】約半数が脱落する最初の一ヶ月を乗り越えるための基本方針とオススメ教材

英語学習、続けられますか?

こんにちは!編集部の遠藤です。

年末年始は英語熱が高まる時期ですね。しかし、2月にはやめてしまっている方が多いのではないでしょうか?実際に編集部で調べたところ、一ヶ月以内に約半数もの人が脱落してしまっているのが実情です*1

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そこで今回は、脱落率の高い最初の一ヶ月を上手に乗り越える“3つのコツ”をお伝えします。

 

英会話学習のはじめにだれもが感じる疎外感とは?

私は英会話学習書などを執筆している関係でたくさんの方にヒアリングをしてきました。そのときによく耳にしたのが「レッスンで会話についていけなかった」、「参考書の解説がわからなかった」、「教材の物語に入り込めなかった」というものでした。

このような、近づこうと努力しているのに距離を縮められない感覚は「疎外感」と言ってもよいと思います。英会話学習の継続を妨げる最初の障害は、この「疎外感」なのです。

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疎外感を感じる理由1:日本語と英語は遠い言語

まず日本語と英語はそもそもお互いに遠い距離にある言葉で、「疎遠」なのはある意味仕方がありません。日本語話者にとって英語は習得の難しい言語であり、その逆もしかりということです。

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そんな英語を完璧にしようとすると、学ぶべきことが多すぎて普通の人であればすぐに容量オーバーになってしまいます。いわば、初心者が分厚い文法書をすべて理解していこうとするようなものです。

読み進めるにつれて範囲の広さに圧倒され、どれだけやってもキリがない感覚に襲われると思います。これは英語そのものに近づこうとすると必ず発生してしまうもので避けようがありません。そのため、そもそも英語を完璧にしようとはしないことがポイントになります。

 

疎外感を感じる理由2:漠然とした不安がある

これまでの挫折経験から英語に関してはセンシティブになっている方が多いのではないでしょうか。しかし、マーフィーの法則ではありませんが、また失敗するかもと思っていると、その通り失敗してしまうのが人間というものですよね。

このコンプレックスを逆手にとっている教材もあります。「日本人の英語はおかしい、ネイティブはこう言う」という類いのものです。一理あるように見えますが、「あれもおかしい、これもおかしい」では、読者は何を信じていいのかわからなくなり、最終的に英語難民か信者を生みだしてしまうだけです。

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教科書に記載されている英文がまったく正しくないなんてことはありえません。そのニュアンスをつかみきれていないから、実践したときに違和感がある使い方になっているだけです。細かい微調整をしてあげればよいだけで、これまで学んできた全てをちゃぶ台がえしする必要はないのです。

 

疎外感を感じる理由3:物語に入り込めない

英語で物語や会話を楽しもうと思っても、最初は英単語や英文法などわからないことだらけで、話の内容に入り込むどころかついていくことさえ難しいですよね。

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そこで提案したいのが、日本語で読んだことのある物語を「英語でも楽しむ」というものです。初めての内容を不慣れな英語で楽しむのは難しいことですが、既に入り込んだことのある内容であれば想像力でカバーできるようになります。何度も聞いているうちに、細かい英単語や英文法に引っかからずに物語を楽しめるようになります。

 

距離を縮めるときの3つのポイント

1、完璧にしようとしない

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2、いまの自分を信じる

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3、話の内容が描きやすい題材を選ぶ

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一ヶ月以上続けるための教材コンビネーション

以上の基本方針はわかったとしても、自分に合った教材を見つけるのは、なかなか難しいと思います。そこで私がこれまでに使ってきた教材や作った教材の中から、初心者が英会話学習を一ヶ月以上続けるための教材コンビネーションをご紹介します。

  • 肩の力を抜く『ずるいえいご』
  • 英文法をざっくり理解する『ハートで感じる英語塾 英語の5原則編』
  • 心構えから英文法まで一通りわかる『英会話イメージリンク習得法』
  • 英語に血を通わせる『ネイティブなら子どものときに身につける 英会話なるほどフレーズ100』
  • 自己啓発の一環として『Rich Dad Poor Dad(邦題:金持ち父さん貧乏父さん)』洋書kindle & audible

 

肩の力を抜く『ずるいえいご』(著:青木ゆか、ほしのゆみ)

ずるいえいご

ずるいえいご

 

『ずるいえいご』はこれまでに何度も英会話で挫折したことのある人には、ぜひとも読んでおいてほしい一冊です。本の前半部分だけでかまいません。中盤以降の言い換え練習はストレスになると思うので無視してください。

前半部分も漫画部分が多いので10分ほどで読めると思います。ざっと読んでおくことで、肩の力をうまく抜けるようになって、最終的に英語学習を長く続けられるようになると思います。

 

英文法をざっくり理解する「ハートで感じる英語塾 英語の5原則編」(著:大西泰斗、ポール・マクベイ)

ハートで感じる英語塾 英語の5原則編―NHK新3か月トピック英会話 (語学シリーズ NHK新3か月トピック英会話)

ハートで感じる英語塾 英語の5原則編―NHK新3か月トピック英会話 (語学シリーズ NHK新3か月トピック英会話)

 

英文法がゼロの状態では、やはり厳しいものがあります。しかし、多くの英文法参考書は緩すぎるか硬すぎるかで、英語にご無沙汰していた人には、あまり適していません。

そのなかで『ハートで感じる英語塾』はちょうどいいレベル感で、話の導入の仕方も英文法書のなかではピカ一です。すべてちゃんと読み込むというよりは、さーっと読み流して、ざっくりと捉えるようにすることをおすすめします。わからないところは、いまはわからないであって、いつかはわかるようになると思います。焦らずにサラッと読んでみてください。

 

心構えから英文法まで一通りわかる『英会話イメージリンク習得法』(著:遠藤雅義、英文監修:Victoria Bloyer)

英会話イメージリンク習得法―英会話教室に行く前に身につけておきたいネイティブ発想

英会話イメージリンク習得法―英会話教室に行く前に身につけておきたいネイティブ発想

 

『ずるいえいご』(心構え)と『ハートで感じる英語塾』(英文法)を合わせた領域をカバーしているのが、『英会話イメージリンク習得法』です。

心構えの部分は、漫画ではないので少々堅くなっていますが、考え方が主体の『ずるいえいご』に比べると、『英会話イメージリンク習得法』のほうが実際の学習シーンまで踏み込んだ内容になっています。

英文法については、『ハートで感じる英語塾』が既存の英文法から気持ちをどう感じ取るかというアプローチなのに対して、『英会話イメージリンク習得法』では英文の裏側にある自然な感覚をまず説明して、それが英文法の何に当たるのかというアプローチを取っています。突然、規則が上から降ってくる英文法に違和感がある方には『英会話イメージリンク習得法』をおすすめします。

 

英語に血を通わせる『ネイティブなら子どものときに身につける 英会話なるほどフレーズ100』(著:スティーブ・ソレイシィ、ロビン・ソレイシィ)

CD付 ネイティブなら子どものときに身につける 英会話なるほどフレーズ100 (スティーブ・ソレイシィの英会話シリーズ)

CD付 ネイティブなら子どものときに身につける 英会話なるほどフレーズ100 (スティーブ・ソレイシィの英会話シリーズ)

 

この本は、ネイティブの側から英語の感覚を説明した本です。子どものときに使う言葉を取り上げていて、日本人の私たちにとっても想像しやすい状況ばかりです。読み進めていて「へぇー、そうだったんだ!」と唸ることも多いと思います。

なお、この類のネイティブ本はたくさん出ていますが、スティーブさんの本は日本人英語をむやみに叩くような形式になっておらず、バランスが良いのでおすすめです。一気に読み通すのではなく、気が向いたときにパラパラとページをめくれば良いと思います。

 

自己啓発の一環として『Rich Dad Poor Dad』(著:Robert T. Kiyosaki)kindle & audible

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英語学習においては「英語でも楽しめる題材」を見つけるのが一番難しいところです。そういう題材が見つかってしまえば、英語学習の大半は成功したと言ってもよいと思います。

私が『金持ち父さん貧乏父さん』を使っている理由は、英語学習というよりも、自分がまだ上手くできていない考え方に気づけるからです。(以下は気に入っている一節です)

人生はそうやってきみをつつくたびにこう言っているんだ。『ほら、目を覚ませよ!きみに学んでもらいたいことがあるんだよ』ってね。

Each push is life saying*2, 'Wake up. There's something I want you to learn.'

何かが足りないとか何かが必要だと感じたときには、まず、それを人に与えることだ。そうすればあとになって、二倍にも三倍にもなって返ってくる。このことはお金、ほほえみ、愛情、友情などいろいろなことに当てはまる。

Whenever you feel short*3 or in need of something, give what you want first and it will come back in buckets*4.That is true for money, a smile, love, or friendship.

私の使い方ですが、たいていお風呂や通勤中にスマホアプリ「audible」で英語音声を聞いています。どうしても気になったら、スマホアプリ「kindle」を立ち上げて英文を確認しています。

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 ※『Rich Dad Poor Dad』の英語音声はaudible.comでしか購入できないため、親会社であるamazon.com(米国アマゾン)のアカウントを取得する必要があります。詳しい方法などはこちらのサイトなどをご参照ください。なお、月額○ドルという申込形態もありますが、私はその都度支払うタイプで登録しています。

 

私は「英語学習で良い教材ない?」と聞かれたときに、よく『Rich Dad Poor Dad』をおすすめしていますが、その理由は以下の三点です。

  • ベストセラーなので、日本語版を既に読んだことのある方が多い。
  • 英文はわかりやすく、音声もかなりゆっくりのペースになっている。
  • 本の最初の部分は子ども時代の物語なので、情景をイメージしやすい。

実際に試してみる場合は、次のステップでやってみると良いと思います。

  1. 日本語版「金持ち父さん貧乏父さん」をざっと読む。
  2. まずaudibleを一回聞き流す。
  3. 二回目にaudibleを聞き流しながら、kindleで気になった英文を確認する。
    このとき音声のペースを主とします。kindleですべての英文を読んでいこうとすると、時間ばかりかかって面白くないのでおすすめしません。(そもそも、音声とスクリプトは完全に対応していません)
  4. 三回目以降はaudibleだけをずっと聞き流す。気に入った言葉はkindleで確認する。

 

英語学習の最初の一ヶ月は気持ちの上でアップダウンの激しい一ヶ月でもあります。そのため、受身でも続けられるものを用意しておくことがポイントです。

ここでは洋書『Rich Dad Poor Dad』を例に挙げましたが、洋画でもジブリの英語翻訳版でもいいと思います。みなさんにとってお気に入りの本や映画などを探してみてください。

 

まとめ

英語・英会話の習得は長い道のりです。しかし、その道のりは辛く厳しいものでなければいけないなんて決まりはありません。ぜひ、あなたに親身になって寄り添ってくれる教材やサービスを探していただければと思います。

*1:英会話教材は46%オンライン英会話は57%が一ヶ月以内に脱落

*2:倒置されていますが、細かい文法は無視して「何か言っているんだな」くらいで受け取るようにします

*3:short は「短い」→「足りない」のイメージ派生。short の意味がわからなくても、次に出てくる need だけを拾ってもOK。このような言い換えをしてくれているのも、初心者にとってはありがたいですね

*4:bucket は「バケツ」、複数形 buckets で「一杯」のイメージ