「うわっ…俺の英語、発音悪すぎ…?」→発音を完璧にしたからって絶対通じるわけじゃないよって話
こんにちは、英会話イメージリンク編集部の今井です。
前々回のブログ記事「大学で成績ワースト5常連だった私が、英会話ができるようになるまでのお話」で、徳島大学の英語の授業で私がお話ししたことをご紹介しました。
そのスピーチの後、授業を受けていた生徒さん(以下「Aさん」)から「発音」に関するご相談を受けたので、そのやり取りを今回の記事ではご紹介させていただきます。(Aさんには記事掲載の承諾を頂いております)
Aさんが言うには「留学生交流会でネイティブと会話をする機会があったんですが、自分の英語が通じなかったんです…」とのこと。詳しく聞いてみると、次のようなやり取りがあったそうです。
(ネイティブが手元のプリントに書かれていた「グローバル」というカタカナの文字を指さして)
ネイティブ(以下「ネ」)「これどういう意味?」
A「グロゥバル!」
ネ「?」
A「(通じなかったか)グローバァル!」
ネ「?」
A「・・・グルゥバァル!」
ネ「?」
A(やべー伝わんねー。どうしよう…)
韓国人留学生「<z{‘#= ”global” !#4$@*+;<z{‘#=^\>?1」
ネ「Ah, OK. ”global.”」
Aさんは自分の英語が通じなかったことにショックを受けましたが、それでも「将来留学したい」という希望をもっていたので、これからどうしたものかと私に相談にきたとのことです。
A「自分の英語が通じなかったのは発音が悪かったからだと思うんです。オススメの『発音』の教科書や参考書とかありませんか?」
私「発音かあ。発音を完璧にしたからって、絶対通じるわけじゃないんよね」
A「えっ?発音が良くても通じないことがあるんですか?」
私「そう思う気持ちはすげぇわかるんだけどね。日本語でも同じことがあるじゃない。例えば『シャワリ』って言われて、すぐに何のことかわかる?」
A「サワリですか?話のサワリみたいな。その阿波弁バージョンですか*1?」
私「違うんだなー。社員割引の略だよ。自分の会社の製品は安く買えたりするじゃん、それのことだよ。こんなふうに日本語でもいきなり言われたらわからんでしょ」
A「なるほど、発音が良くても通じないことがあるわけか…。じゃあ、僕はどうすれば良いんですか?」私「まずは発音に頼らずに、なんとかその場を切り抜ける方法を考えたほうがいいよ。自分の対処法を伝えるから参考にしてみて」
表現を変えてみる
自分なら無人偵察機RQ-4 ”Global Hawk” を例に出すけどな
最初にAさんに伝えたのは、別の似たような表現で説明する方法です。正確な意味はさておき、global といえば「世界中」のようなイメージがあると思います。それと似たフレーズで言い換えてみるわけです。
- all over the world
- a lot of counties
- every country
- many countries
- whole world
もちろん、ニュアンスとしては global とズレた表現もあります。しかし、このようにいくつか並べていけば、ネイティブは「なんか『世界中』っぽいこと言ってるな…。あっ、”global”ね」と気づいてくれるはずです。
他にも「絵に描く」方法もあります*2。とりあえず世界地図っぽいものを書いて、ぐるっと丸で囲んで「グローバル」と言ってみる。これでもきっと伝わるはずです。
話の流れから理解してもらう
察して、どうぞ
Aさんによると、先ほどの韓国人の留学生は単語のみではなく、自分なりに「global」を英語で説明していたそうです。現場にいなかったので正確にはわかりませんが、きっこんなような感じのことを言っていたのでしょう。
韓国人留学生「This word means "global" in English, and the print-out describes the "Cross-cultural Communication" lecture which we are going to take from now on.」(この文字は英語の"global"で、このプリントは私たちがこれから受ける『異文化コミュニケーション』の授業を説明したものだよ)
単語だけではなく、話の流れを使って説明すると自然と関連する言葉がでてきます。そのため相手に伝わる確率がぐっと高くなります。初心者のころはセンテンスを組み立てるのが難しいと思いますが、頑張って話の流れで説明できるようにしましょう。
話を流す
そんなことよりサメの話しようぜ
最終手段は「なかったこと」にして、話を流してしまうことです。言い換えのフレーズやセンテンスも使って説明してみたけれども、それでも伝わらないなんてことは、これから先もきっとあるはずです。そういう場合は、話を流して話題を変えてしまいましょう。
このときに
「I can't pronounce this word or explain its meaning any better. Why did you want to know what this word means?」(これ以上発音も説明もうまくできねえよ。ともかくどうしてこの単語が何を意味してるんか知りたいと思ったん?)
などと逆に質問することも話が広がる良いきっかけになります。「グローバル」を尋ねたネイティブも、本当にその意味が知りたかったというより、話のきっかけとして軽い気持ちで聞いたのかもしれません。
質問されるとどうしても「答えなきゃ!」と思ってしまいますが、こだわりすぎるとお互いに居心地が悪くなってしまいます。
「Okay, let's change the subject.」(とりあえず次の話題に移ろうや)
と話題を変えてしまうことはお互いにとって悪いことではないので、長引きそうだったら、さっさと話題を変えてしまいましょう。
まとめ
実際に会話をしている場面では、発音が悪くて相手に伝わらなかったとしても「いまから発音の練習してくるから、一ヶ月ぐらい待ってて」というわけにはいきません。かといって「通じない!はい解散!」というわけにもいきません。
その場で出来ることは手を変え品を変えて相手に伝えることです。これが「表現を変える」「話の流れで伝える」ということです。しかし、それでも伝わらないことはあります。そんなときは思い切って「なかったこと」にしてしまいましょう。